車体フレームグループで機械加工が始まりました

| 投稿者: プロジェクトEVスタッフ

こんにちは,電気電子工学科の高木です。
 車体フレームグループは、鉄パイプを加工して車体フレームを製作し、タイヤや運転席を取り付けていきます。車の走行性能を決め、ドライバーの安全性を確保する重要な構成要素です。このため、衝突や転倒が起きてもドライバーの安全が確保されるように、有限要素法を使った強度計算のシミュレーションを行いました。得られた結果をもとに、8月末から9月初めの夏季活動で、車体フレームの設計を完了し、必要な鉄パイプを手配しました。

 鉄パイプなどの材料が納入されたことから、機械部品の加工を始めています。加工には、実験棟Aに導入された実験用加工装置を使い、機械工学科の学生が主体をなって加工を行っています。鉄パイプの加工だけでなく、モータの回転をタイヤに伝達するギヤーや鉄パイプを溶接する時に使う台の加工を行っています。EVを製作するという明確な目的があることから、真剣に加工用装置に向かってくれています。 

車体フレームの姿が見えてくれば、プロジェクトメンバーの意欲も一層高まります。車体フレームグループの活躍に期待です。


_img_1377



2年生の高橋君が制御ソフトの書換えができるようにしてくれました

| 投稿者: プロジェクトEVスタッフ

こんにちは,電気電子工学科の高木です。
 EVのモータ駆動には、インバータというパワーエレクトロニクス回路が使われています。バッテリーから供給される直流電圧を、半導体パワーデバイスでON/OFFし、モータへの供給電圧を交流のようにプラスとマイナスに変化させる回路です。

 今回、制作した基板には、インバータ回路を制御するV850とういうLogic半導体が搭載されています。この半導体はモータ制御用に開発された有名な 半導体で、そのメモリー領域に駆動用ソフトを書き込むことができます。そして、ソフトを書き換えることで、モータを逆回転させたり、モータへの電流制御で回転数を一定以下に制限することもできます。
 基板製作が終わってモータを作り始めた頃、2年生の高橋君がソフト書き換えにチャレンジしたいと提案してくれました。パワートレイングループとして、標準ソフトにない機能を追加していきたいと考えていましたので大歓迎でした。

最初はV850 を製造しているメーカのホームページにアクセスし、ユーザ登録して、必要なソフトをインストールするところからの作業でした。いくつかの参考文献を読みながら、マニュアルの書き換え手順をトレースしていってくれました。途中でソフトにエラーメッセージが出たり、ハードの接続が上手くいかなかったりと苦労の連続でしたが、1113日の活動でついにソフトを書き換えることができるようになりました。
 現在のソフトには逆回転機能がなく、EVはバックすることができません。基板上に回転方向切り替えるスイッチを追加し、ソフトに逆回転の機能を加えます。


_img_1328



モータの制御方式を決めてハードを構成するPLCを手配しました

| 投稿者: プロジェクトEVスタッフ

こんにちは,電気電子工学科の高木です。
 現在、製作を進めているEVでは、4つのタイヤそれぞれを4個のモータで駆動します。海外の学生フォーミュラでも、多くの大学でこの方式をとっています。また、0から100km/hまで加速で世界記録を樹立したEVもこの方式です。国内のEVでは、1モータで駆動タイプが多いのですが、海外でのこうした動向を踏まえ、4輪駆動方式を採用しました。

4個のタイヤを駆動する方式で問題となるのが、個々のモータの回転数や回生に対する制御です。例えば、右に廻ろうとする場合、左右が同じ回転数だとスムーズに回れません。左側の回転数を高め、右側の回転数を低くする必要があります。また、燃費向上のためには、ブレーキを踏み込んだ時にモータで発電した電力を蓄電池に貯める回生技術の活用が有益です。回生回路のスタートタイミングを調整するのも重要な制御項目です。
 こうしたモータ駆動に関する制御をするため、PLCprogrammable logic controller)を搭載することにしました。制御での入力信号は、インバータのON/OFFスイッチ、ブレーキ、アクセル、ハンドルです。出力は、モータの回転数を決める4個のアナログ信号と、回生回路を動作させる4個のON/OFF信号です。アナログ信号を出力するため、PLCの出力にDA変換器を接続します。 

制御の構成が決まったので、PLCDAの発注手配をかけました。制御の設計にかかわったメンバーは、PLCDA変換器が早く納入されることを期待しています。

1


«ドライバの安全を第一に考えた車体フレームの設計が完了しました